今こそ絵本 読んでみない?

大人になってからこそ深く感じる、子どもと読む絵本

誰だって泣いちゃうよ

 

皆さんは子どもの頃、迷子になったことはあるだろうか。

唯一の知っている人間が視界からいなくなったときの絶望感たるや。

と同時に

“あの子?迷子?…大丈夫かな?”

という周りの知らない人間の視線。

あの恐怖はもう大人では味わえないものだ。

いや二度と味わうものではない。

 

この『なくのかな』はお出かけの途中でお父さん、お母さんとはぐれてしまった

「僕」の心情を描いたお話。

 

今自分が置かれている状況を耐えつつ、

“知らない所・知らない人たちの中で独りぼっちになったら誰だって泣いちゃうよね”

という発想が可愛い。

確かに想像することで“泣くのは自分独りじゃない”と小さな勇気にもなる。

この「僕」はとても周りが見えているしっかりものだと思えた。

 

表情も豊かでリアルなため、感情移入してしまう。

読み聞かせした子どもも

「ママだって泣く?」と訊かれたから

「もちろん!鼻水垂らしてわんわん泣くよ。」

って答えたら、ぎゅっと抱きしめながら

「大丈夫。ずっとそばにいるから。」

 

2階から降りてきてそりゃもう鼻水垂らしてわんわん泣いた。

 

表情豊かさ   ☆☆☆☆

読み聞かせ   ☆☆☆☆

誰だって泣くよ ☆☆☆☆☆

 

【なくのかな】

作 内田麟太郎

絵 大島妙子

譲れないのは収納力

 

「家は三回建ててやっと理想通りになる」という言葉を聞いたことがあるが

人生で家を建てるなど、あるかないかの人のほうが多い。

ましてや三回とはどこの富豪ぞ。

 

とはいえ、住居というのは大切にしたい。

好きな場所に好きな間取りで好きなものに囲まれ

1日の疲れを癒やす。そんな場所であってほしいと思う。

 

決して見世物や楽しいからってぶっ飛んだ家を建ててはしんどいのである。

 

 

この『いいな いいな このおうち』は

かるべくんがありそうでありえないお家を紹介していくお話。

まぁ内容はぶっ飛んでいる。ないよ?現実にはないお家なんだけども。

子ども心にいや、大人心にも

“あったら絶対!住みたくはないけど・・・訪問はありかな”

と思わせる住宅だらけだ。

 

こんなラインナップには子ども達はゲラゲラ。

「これは無理ぃ〜!」

「これなんかここをこうしたら住めそうじゃない??」

などと存在した場合の改善点まであげる始末。

子どもの想像力はやはり素敵だ。

 

ちなみに私はベタにロボットのお家が良かった。

なんか・・・夢あるやん??

 

食材のお家は哀しいかな、衛生面が気になって仕方がない。

子どもにはそんなことお構い無しに、料理されたお家に目を輝かせていた。

・・・なんか、ごめんね。

 

可愛さ ☆☆☆☆

面白さ ☆☆☆☆

発想力 ☆☆☆☆☆

 

 

【いいな いいな このおうち】

軽部武宏

 

柔らかめが好みかな

 

多すぎやしませんか??

ハブラシの種類たるや。

歯磨き粉と同じ会社から出ている物が良いのか、

柔らかさは硬めが良いのか、

毛先の角度や向きを軸に選んだほうが良いのか。。。

と思えば、「ハブラシは何でもいい!!大切なのは当て方、歯へのアプローチだ!」

という論があったり・・・。

そう思うと数百種類のハブラシも奥が深い。

 

 

この『ハブラシくん』は

さとしくんに最近使ってもらえないハブラシくんが家出をする話。

外の世界に触れたハブラシくんはハブラシとして何を想うのかーー。

 

前回の【もうあかん!】に引き続き、こちらも舞台はコテコテの関西圏である。

どうしてこうも“関西弁”は人情に訴えかけるのだろうか。

動物にしろモノにしろ、「人間味」というものが滲み出る。

感情移入が素晴らしく早くできるのだ。

 

まぁともあれまずは

なぜハブラシが家出するのかがもう面白い。

もしこれが現実だったらきっと私のハブラシも、「衛生管理が気に食わん」と

もうとっくに家出しているだろう。

下手をしたら外中、不満を持ったハブラシたちが徘徊しているかもしれない。

 

勝手な考えだがハブラシに愛着を持ってる人は少ないだろう。

ましてや買い替えは一ヶ月を推奨しているらしい。

そうなるときっと『ハブラシくん』のような世の中になってしまうのだ。

 

新しい世界に触れたハブラシくんは

違うモノとしての人生を踏み出すのか、

はたまたハブラシとしての人生を全うするのか。

ハブラシくんの今後を期待していただきたい。

 

リアルさ ☆☆☆☆

愛おしさ ☆☆☆☆

感情移入 ☆☆☆☆☆

 

 

【ハブラシくん】

岡田よしたか さく

君の名前はきっと「平八」

 

誰しも“こだわり”というのはお持ちではないだろうか。

 

私はタオルの畳み方だ。

試行錯誤の末、タオルの収納場所に最も適した畳み方を取得した。

この畳み方以外はシンデレラフィットしないので入るは入るが

開けたときの並びや見た目が気持ち悪いのである。

 

 

この『もうあかん!』はうんちをする場所にすごくこだわりのある犬のお話。

こだわりを持つって素敵な事と同時に厄介なものでもある。

良い塩梅を保てなければ結局誰かの何かの迷惑にもなりかねない。

それが如実に出ている絵本だ。

 

何故か関西弁で動物が喋るのだが私としては心地よい。

きっと動物にだって方言もあるだろうな。

しっかりツッコミ入れているあたりは関西“犬”だ。

落語や漫才・コントを観ているようだった。

 

沢山の動物に見守られながら「ここだ!」と思える場所で

果たして用を足す事ができるのか!?

表紙の犬の絵からは想像絶するようなどんでん返しが!!・・・とはならないが(笑)

なかなか動物の世界も大変である事が垣間見えた絵本だった。

 

因みに子ども達はもう“うんち”が出てきた時点で大爆笑。

……今日も我が家は平和です。

 

可愛さ   ☆☆☆☆

読みやすさ ☆☆☆☆

あかんさ  ☆☆☆☆☆

 

 

【もうあかん!】

岡田 よしたか

あの場所は秘密にしたい


“イマジネーションを使うんだよ”

と某海外人形劇のクッキーモンスターの友達が言っていたように

想像力というのはとても素晴らしいものだと思っている。

 

大人になっても想像力・創作力で創られるものはたくさんある。

ロゴだったりCMだったり、それこそ絵本だったり。

全てがイマジネーションでできていると言ってもいいだろう。

 

その発想力がついているのは

どれだけ幼少期に想像や空想をし、培っているかが関係していると思うのだ。

 

 

この『ひみつだからね』は

こっそり秘密を教えてくれるお話。

子どもによくある“秘密なんだけど”という前置きで

みんなに話してしまうなんとも可愛らしいお話だ。

 

だが私は表紙を見た時に少し恐怖を感じた。

可愛らしい男の子なんだがどこか

やってはいけない事や場所に誘われている感覚に陥るのだ。

 

この本を読んだ子が2パターンに分かれる気がする。

1つ目は“おもしろそう!行ってみたい!”

2つ目は“怖いからここには行かないようにしょう”

どちらも素敵なのだが前者はしっかり親が観ておくべきなので要注意を。

後者は危機管理能力が優れているが、親が一緒なら是非

一歩勇気を持って踏み出してほしい。

この子が秘密にしていた“なにか”が観られるかもしれない。

そして自分のイマジネーションでなにかを見つけられるかもしれない。

 

まだまだ私もイマジネーションで

一歩踏み出せる人間になりたい。

 

読み応え     ☆☆☆☆

秘密       ☆☆☆☆

イマジネーション ☆☆☆☆☆

 

 

【ひみつだからね】

軽部 武宏

怪獣シリマルダシにはやられる

 

某アニメで

「なんのために生まれてきたかはわからないけど

でもいつかそれが解ったら素敵だな」というような言葉があるように

なんのために生まれたかなんて誰も解らないのである。

だから人生のゴールまでにそれ探せばよいのだ、

と思っている。

 

・・・そして最期にそれが何なのかを知れたら、気づけたら良いのかな。

 

 

この『ぼくにもそのあいをください』は

“力こそが大事、強いことが大切”と思い生きていたティラノサウルスが

トリケラトプスの子に出逢い、想いが変わっていくお話。

 

色彩はそれほど多用に使われてはいないのだが、恐竜のゴツゴツした感じやその時代の風景が凄く伝わってくる。

 

また恐竜の表情の素晴らしいこと。

どの恐竜も正直簡単で嫌な目をしている。

進んでいくうちに可愛くも見えてくるから不思議だ。

しかし弱肉強食の世界を生きているものならそんな目になっても仕方がない。

 

表紙を見て分かると思うが、もう感動系なのだ。

解っている、泣くんだろう?わたしよ。

確かに泣いた。

どうなのだろう、しかし思っていた想いで感動したわけではなかった。

もし、これを読んだ人が感動したならば

捉え方がきっとそれぞれになる素敵な絵本だ。

 

肉食のティラノサウルス、草食系のトリケラトプス。

食う身・食われる身、この相反する種類の恐竜がどのようにして

“愛”を見出すのか。

 

“その愛”をもらえたなら

表紙のトリケラトプスの子は

きっと素敵な大人になれるだろう。

 

 

大人の私でもまだまだ

色々なカタチで色々な“愛”を、

“生きている意味”を

知れるよう生きていきたい。

 

読み応え  ☆☆☆☆

読み聞かせ ☆☆☆☆

愛     ☆☆☆☆☆

 

 

【ぼくにもそのあいをください】

作絵/宮西達也

自分の世界はまだまだ狭い


不思議なのだが。

お金を持っている人が「お金が全てじゃない」

と言うのと、

持ってない人が「お金が全てじゃない」

と言うのとでは

同じ言葉でもなぜこんなにも響くものが違うのか。

頭が良い人が「勉強が全てじゃない」

と言うのと、

そうじゃない人が「勉強が全てじゃない」

と言うのとでは

同じ言葉でもなぜこんなにも変わってくるのか。

 

“なるほど”と素直に響く方は

経験や努力というのが背景にあるからなのだろうか。

 

となると中々私は何も言えない気がする。

 

 

アニメでも放送している、子どもたちも大好きな「はなかっぱ」のシリーズ。

あまり私的にアニメ化してしまったタイプの絵本を紹介するのはどうかなと思ったが

意外とこのはなかっぱに関しては教訓と言おうか、考えさせられる内容が多いのだ。

 

この『はなかっぱのだいぼうけん』は

おじいちゃんと孫のはなかっぱくんが自分の花を咲かせるため

世界中の花を見て周るお話。

読みやすく、でも読み応えはバッチリ。

大人にも響く内容だと思っている。

 

おじいちゃんが

「世界中の全部の花をこの眼で見てから

自分の花を決めようと思ったんじゃ。」

とはなかっぱに言う姿は

やはり人生という経験を積んだおじいちゃんだからこそ言える言葉だと思えた。

 

はなかっぱが自分の花を選ぶ決め手になるものは一体なんだろうか。

読みながらわくわくした話だった。

 

 

できるなら私だってこの二人のように

世界中を観て、触れて、感じてをしてみたい。

今からだって遅くはない。

ただ、今は目の前の小さな幸せを感じて生きていることに“幸せ”を感じている。

 

そしていつか子どもたちに

このおじいちゃんのような

経験と努力が背景に見える言葉を

伝えれれるようになれたらと思えた。

 

因みに子どもたちに、

「なんの花を咲かせたい?」と訊いたところ

低学年の子「ひまわり!だって可愛いもん!」

幼稚園の子「スイカの花!だってスイカいつも食べたいもん♪」

であった。

すんごく素敵。

 

 

皆さんならどんな花を咲かせますか?

 

キャラ  ☆☆☆☆

読み応え ☆☆☆☆

奥深さ  ☆☆☆☆☆

 

 

【はなかっぱのだいぼうけん】

あきやま ただし