無印良品で一時流行った、ジップロックのままぬかどこみたいなものがあった。
旦那が「やってみる!」と息巻いて始めたのだが、三日坊主とは言わないがそれに近い速さでぬかがお逝きになった。
ぬか漬けの良さを100%理解しているわけじゃない。でも大人になってようやくあの美味しさを少しずつ感じ始めた。
正直、ご飯よりも日本酒のお供に最高だ。それだけは解る。
この『ぬかどこすけ』は、ずっと売れ残っていた“瓶(かめ)”がある日おばあさんに買われ、ぬか床用に使われるお話。
本人はぬか床用になるとは思ってなかったみたいだ。初めは嫌々だったぬかどこすけも、ぬかどこねぇさんに出会い気持ちが変わってゆくーー…。
正直、子どもがなぜこれを手にしたのか解らない。
表紙のインパクトは総合的に見て私としては五本の指に入る。字体や色の使い方が昭和感満載。私が懐かしく思ってしまうほど。しかしキャラはキャラで濃いがその他の風景や背景は優しいタッチで描かれている。このバランスがすごく好きだ。
子どもの中でなにか惹くものがあったんだろうと思うと興味深い。
ただ表紙のぬかどこすけのたらこ唇が印象的な笑顔を見ると、なぜだか心がふっと軽くなる。
今まで知りえなかったものに出会えることは幸せなことで、でもそれを受け入れる余裕というか懐の深さがないと難しかったり。
ぬかどこすけはいい男だ。良くも悪くも真っ直ぐで。
時代というものに置いて行かれないよう、懐深い人間でありたい。
そのためにはまず、ぬか漬けを食べようと思う。
古き良き ☆☆☆☆
読み応え ☆☆☆☆
インパクト ☆☆☆☆☆
【ぬかどこすけ】
かとう まふみ