ときたら「叶えてくれるなら〰️♪」
に繋がるしか考えられない世代だ。
よくある物語の中での願い事はなぜ“ひとつだけ”なのだろうか。
いっぱいでも良いんじゃないかと欲深い私は思う。
しかし“ひとつ”という縛りに本心が見えるからなのかもしれない。
このお話は、人に嫌われるねずみのアレクサンダと
人に遊んでもらえるぜんまいねずみの生き物とモノとの友情話。
対象的なネズミの二匹だが、出会って変わる想いにじんとくる。
絵のタッチは可愛らしくネズミの感情は目でしか感じ取れないが
なぜかそれだけでも想いがしっかり伝わり、愛しささえ感じた。
結局本当の望みは何だったのか、アレクサンダ自身が最後に気づく事には
とてもほっこりする気持ちになった。
本来の願いと多少ズレるがより良い望みに代わるならそれでいい。
いや、それがいい。
それならば私は、“傷つけあった愛が始まらないように”願うばかりだ。
読み応え ☆☆☆☆
愛しさ ☆☆☆☆☆
願い事 ☆☆☆☆
【アレクサンダとぜんまいねずみ】
作・レオ レオニ 訳・谷川俊太郎